NMRの原理(概略図)

物質を磁石(静磁場)の中に置くと、物質を構成している原子核がその種類によってある特定の周波数の電磁波(MHz単位 のラジオ波[RF]の領域の周波数)を吸収します。この現象のことを核磁気共鳴(NMR;Nuclear Magnetic Resonance )と言い、共鳴する周波数は、その原子が結合しているか又は隣接している他の原子や電子の影響を受けて多少異なっています。これがNMRの「ケミカルシフト」で、基準物質からの相対的な吸収位置をppm単位で表します。ケミカルシフトの数値からその分子構造の情報を得ることができます。







フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)で何が判るのか?

溶液や固体試料中の物質がどのような分子で構成され、どのような立体構造でつながっているのかを、原子核からの情報を元に調べる分析装置です。主に水素[1H]と炭素[13C]のNMRが、有機物の分子構造解析に利用されています。また最近はその他の原子核からの情報を得やすい高性能な装置が導入され貢献しています。



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