理学研究科長
近藤 忠
 「科学技術」という用語はよく使われますが、科学と技術は両輪の深い関係にあり、両者がバランスよく機能することで、新たな研究が進展してきました。技術の発展は新たな技術を生み、ひと世代前には憧れの装置や技術だったものが、日常生活の中に浸透することによって社会構造も大きく変わろうとしています。物質科学における新たな各種分析技術、IT技術やAI技術による教育研究現場におけるDX革命など、今後の世代にはきっと見慣れた技術となる大きな変革期が来ています。
 技術は人が有効に利用して初めて生きてきます。埋もれてしまう技術もあれば、浸透させるべき技術もあります。理学研究科では、技術部が中心となって基盤となる様々な技術やインフラを開発し、多様なユーザーに安全かつ快適に共用する仕組みを整えてきました。現在も日々の円滑な研究が行われるにあたって、最先端の知識を吸収するとともに、新たな技術として反映し、蓄積されたノウハウとともに活用しています。またユーザからのフィードバックとともにこれらのシステムを発展させていくことにより、理学研究科だけでなく、学内外のユーザーにとっても不可欠な役割を担っています。その業務には、学内設備における日々の維持管理や、研究者に対するサポートだけでなく、学生やユーザーに対する教育や国際化への対応も含まれており、その重要性はますます高まっていると感じています。理学研究科技術部は今後も研究発展の鍵となっていくことが期待されています。



技術長
飯島 憲一
 令和5年4月1日付で理学研究科技術長を拝命いたしました飯島憲一です。大阪大学理学研究科技術部は、高度化・専門化した業務を円滑かつ効率的に処理するため、分析測定室・研究支援室・教育支援室・情報ネットワーク室の4室からなる組織として平成17年12月8日、理学研究科長のもとに再組織化されました。その後平成28年4月、理学研究科・理学部の運営組織が一新されたことを機に、より一層の教職員との連携強化を図るための新たな組織体制として4室はそれぞれ分析機器測定室・安全衛生推進室・教育研究支援室・広報情報推進室に改正されました。
 国立大学の法人化以後、大学を取り巻く社会環境はそれまで以上に大きく変化し、技術職員の役割にも大きく影響しています。これら環境の変化にも対応すべく技術部では、これまでの様な特定の教職員や学生への技術支援だけでなく、部局全体の支援活動や他部局と連携した支援活動、また近隣地域への社会貢献活動などにも力を入れて参りました。今後もこれらの活動を継続しつつも、昨今のコロナ禍を契機に急速に普及した遠隔化等への対応についても取り組んでいきます。時代の変化に適応しながら、技術部全体の技術力や資質がより一層向上し、技術職員の存在感が示されていくことを期待しています。
 技術職員の業務は縁の下の力持ち的な役割が多く、なかなか表から見えないことも多いかもしれませんが、理学研究科技術部職員は各々の特徴を活かしながら、各自の技術支援の質的向上を目指して主体的に日々努力しております。皆様には是非、その活動の意義をご理解頂きまして、今後とも御指導、御鞭撻を賜ります様、よろしくお願い申し上げます。


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